本日のアジア為替市場は、昨日のFOMCやパウエルFRB議長の会見内容を精査しながら、基本的にはNY時間の流れを引き継いでドルは底堅い展開となるか。
FOMC声明では早期のテーパリング(段階的な量的緩和の縮小)開始が示唆され、パウエル議長も次回11月2−3日の会合でテーパリング発表の可能性に言及し、2022年年央までに完了する見込みとの考えも示した。また、メンバー達が示した政策金利予想は22年にはゼロ金利政策が解除される見通しに。23年の利上げ回数も前回2回から3回に引き上げられた。
ある程度予想されていたこととはいえ、米金融政策が正常化の道に踏み出そうとしていることは明らか。相場が昨日の内容を完全に消化するまでは、ドルの下値は限定的となりそうだ。
ドル円のオーダーも109.40円辺りから買いが並びだした。ただ、祝日でほぼ不在の本邦勢が110円台に売りを置きっぱなしにしており、大台超えでの伸びは鈍いかもしれない。
このところ市場をざわつかせていた「巨額負債を抱える中国・恒大集団」については、昨日に23日の人民元債の利払い実施が発表され、一旦はデフォルト(債務不履行)懸念が和らいだ。本日はドル建て債の利払いもあるが、30日の猶予期間があり、足もとの警戒感は後退か。ただ債務リストラに向けたスキームはまだ定かではなく、関連報道や中国・香港株の動向には注意は必要だろう。
なお、パウエルFRB議長は昨日、恒大集団の債務問題は中国特有のものだとし、米企業への直接的な影響は限定的と述べている。