ペロシ米下院議長は、民主進歩派と穏健派の対立でインフラ法案採決は難航すると警戒してきたものの、本日9月30日での採決を目論んでいる。また、シューマー米上院院内総務(民主党)も「上院での政府閉鎖を回避することに合意した」と述べている。しかし、米国をデフォルト(債務不履行)の瀬戸際に向かわせかねない連邦債務上限引き上げを巡る協議では、来年の中間選挙を睨んだ民主党と共和党の駆け引きが行われており、10月以降まで引き上げられない可能性、すなわち、一部の政府機関が閉鎖に追い込まれる可能性は払拭されていない。イエレン米財務長官は「連邦債務上限が引き上げられなければ、米国債がデフォルト(債務不履行)に陥り、歴史的な金融危機を引き起こす」と警告し、連邦政府の資金が10月18日にも枯渇し、米国がデフォルトに陥る恐れがあると議会に警告している。
米国議会では、これまで債務上限や暫定予算を巡る駆け引きが度々あり、米政府機関の閉鎖に追い込まれたことがあったが、最終的には妥協案が成立して、米国がデフォルトに陥ることはなかった。今回も、イエレン米財務長官が設定したXデイの10月18日に向けたチキンゲームが続いていくと思われる。
本日は、前週分の米新規失業保険申請件数や失業保険継続受給者数などで雇用情勢を見極め、4−6月期米国内総生産(GDP)確定値や9月米シカゴ購買部協会景気指数などで景況感を見極めることになる。
・想定レンジ上限
ドル円の上値の目処(めど)は、2019年4月24日の高値の112.40円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値の目処(めど)は、一目・転換線の110.59円。