ペロシ米下院議長は、民主進歩派と穏健派の対立でインフラ法案採決は難航すると警戒しながらも、9月30日までの採決を目論んでいる。しかし、米国をデフォルト(債務不履行)の瀬戸際に向かわせかねない連邦債務上限引き上げを巡る協議は、来年の中間選挙を睨んだ駆け引きが行われており、10月以降まで引き上げられない可能性、すなわち、一部の政府機関が閉鎖に追い込まれる可能性が高まっている。
イエレン米財務長官は、9月19日、「連邦債務上限が引き上げられなければ、米国債がデフォルト(債務不履行)に陥り、歴史的な金融危機を引き起こす」と警告している。パウエルFRB議長も、9月22日、「米国がデフォルトに陥らないよう、タイムリーに連邦債務上限を引き上げることが極めて重要だ。引き上げられなければ、経済と金融市場が著しいダメージを受ける」と警告している。
パウエルFRB議長の証言原稿では、「経済再開のプロセスは経済休止と同様、前例にない。経済再開が継続する中、ボトルネックや雇用の困難、他の制約の度合いが想定以上に大きく、長引く恐れがあり、インフレに上振れリスクを及ぼす可能性がある。持続的なインフレ上昇が深刻な懸念となれば、インフレがわれわれの目標と整合して推移するよう、FRBは確実に対応し、政策手段を講じる」となっており、質疑応答に要注目か。
9月の消費者信頼感指数では、9月の雇用統計を占う上で、雇用関連指数にも要注目となる。
・想定レンジ上限
ドル円の上値の目処(めど)は、7月2日の高値の111.66円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値の目処(めど)は、一目・雲の上限の110.19円。