4日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、ニューヨーク株安を受けたリスク回避の円買いで、欧州時間の高値111.30円から110.82円まで軟調推移。ユーロドルは1.1640ドルまで堅調推移。ユーロ円は129.38円から128.81円付近まで軟調に推移した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、ダウ平均の下落はリスク回避の円買い要因だが、米10年債利回りが1.48%台まで上昇していることで、下値は限定的だと思われる。
ドル円のオーダー状況は、111.00円の8日のNYカットオプションを軸にして、上値には、111.20円にドル売りオーダー、111.30円にドル売りオーダー、超えるとストップロス買い、111.40-70円には断続的にドル売りオーダーが控えている。下値には、110.80円にドル買いオーダー、割り込むとストップロス売り、110.40-70円には断続的にドル買いオーダーが控えている。
ドル円の上値を抑える売り材料は、米国連邦債務上限を巡る不透明感、中国恒大集団のデフォルト(債務不履行)懸念があり、買い材料は、11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でのテーパリング(資産購入の段階的縮小)開始観測がある。
豪準備銀行(RBA)理事会では、9月のRBA理事会で、週50億豪ドルから40億豪ドルへテーパリングされた資産買入の期限が、11月半ばから2022年2月半ばまで延長された後なので、金融政策の変更は予想されていない。リスクシナリオは、内憂として新型コロナウイルスの感染拡大が収まらないこと、外患として中国経済が電力不足や不動産バブル崩壊懸念により減速しつつあることで、豪準備銀行が緩和的なスタンスを打ち出す可能性となる。9月のRBA理事会議事要旨では、11月半ばまでの週50億豪ドルの買入継続、すなわち、テーパリング見送りが検討されたことが言及されていた。
中国恒大集団に関しては、9月末に期限が到来したドル建て社債の利払いが履行されなかったことで、30日間の猶予期間に入っている。昨日10月4日は、中国恒大集団が保証していたドル建て債の償還期限だったが、償還されたとの報道はなく、猶予期間もないことから、クロスデフォルトへの警戒感が高まりつつある。中国恒大集団のドル建て社債の利払いは、来週12日から予定されており、年内で6億ドル規模が控えている。