5日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、9月米サービス部門PMI改定値が54.9、9月米ISM非製造業指数が61.9だったことで、米10年債利回りが1.53%台まで上昇し、ダウ平均が480ドル超上昇したことを受けて、111.56円まで上昇した。ユーロドルは1.1581ドルまで下落した。ユーロ円は129.39円まで上昇した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、ダウ平均の上昇や米10年債利回りが1.53%台まで上昇していることで、底堅い展開が予想される。
原油価格などエネルギー価格が高騰していることで、パウエルFRB議長やラガルドECB総裁の持論である「インフレ高進は一時的」との見解が揺らぎ始めている。サマーズ米元財務長官は、米連邦準備理事会(FRB)がインフレを軽視して利上げが遅れることで、インフレと景気減速が同時に起こるスタグフレーションの可能性を警告している。
日本経済は、エネルギー価格の高騰に対して脆弱であることで、海外勢は、日本売り、すなわち、円売り・日本株売りを仕掛けている。インフレリスクは、原油や天然ガス価格の高騰にあり、景気減速リスクは、中国経済の電力不足によるサプライチェーン(部品供給網)の停滞や新型コロナウイルス変異株感染の再拡大懸念が挙げられる。
さらに、8日に発表される米9月雇用統計の改善見通しも、11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でのテーパリング(資産購入の段階的縮小)開始観測を高めていることで、ドル円の買い要因となっている。
ドル円の上値を抑える売り材料としては、イエレン米財務長官がXデイを10月18日と警告している連邦債務上限を巡る不透明感、中国恒大集団のデフォルト(債務不履行)懸念がある。
ドル円の注文状況は、111.50円の7日のNYカットオプションを軸にして、上値には、111.60-90円に断続的にドル売りオーダー、112.00円に大口のドル売りオーダーが控えている。下値には、111.00円に7・8日のNYカットオプションとドル買いオーダーが控えている。
10時には、ニュージーランド準備銀行(RBNZ)が政策金利を0.50%に引き上げることが予想されている。8月の会合では「インフレ期待が制御できなくなるリスクを減らすため、金融政策刺激のさらなる縮小が最も後悔の少ない政策スタンスだという認識で一致した」ものの「ロックダウン措置と公衆衛生面の不透明感を考慮し、今会合でのOCR据え置きで合意した」ことで、リスクシナリオは据え置いた場合となる。