22日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が「我々の見解では高インフレは緩和する可能性が高い。利上げは時期尚早」と発言して、早期利上げを否定したことで113.41円まで続落した。ユーロドルは1.1656ドルまで上昇した。ポンドドルは「欧州連合(EU)はアイルランド国境に関し英国との溝がこれ以上深まれば、ブレグジット合意の破棄を検討している」との観測報道で1.3736ドルまで下落した。


 本日の東京外国為替市場のドル円は、先週末のパウエルFRB議長の早期利上げに否定的な見解や中国恒大集団のデフォルト(債務不履行)懸念などで伸び悩む展開が予想される。


 パウエルFRB議長は、11月2・3日の米連邦公開市場委員会(FOMC)に向けたブラックアウト期間直前の会合で、インフレ圧力の長期化に対する警戒感を示したものの、「我々の見解では高インフレは緩和する可能性が高い。利上げは時期尚早」と早期利上げに否定的な見解を示した。

 中国恒大集団は、9月23日の利払いの猶予期間の終了間際の10月22日に8350万ドルの利払いを履行したものの、今後の利払いの履行は保証できない、と表明している。今週も9月29日の利払いの猶予期間となっており、デフォルト(債務不履行)への警戒感は払拭されていない。


 ドル円は10月20日に114.70円まで続伸した後、115円の節目を前に、買い持ちポジションの利食い売りが優勢となっている。現在のドル円の実質実効為替レートは、70台を割り込みつつあり、黒田日銀総裁が2015年6月に「実質実効為替レートを基準にすれば、現在のドル円レート(※125円付近)は相当な円安水準であり、これ以上の円安水準はありそうにない」と警告した67台を窺う展開となっている。原油価格や天然ガス価格の上昇を受けて、エネルギーをほぼ100%輸入に依存する日本の貿易収支は赤字基調となっており、日本経済にとって「悪い円安」となりつつあることで、黒田日銀総裁による「黒田シーリング」の再発動にも要警戒か。


 ドル円のテクニカル分析では、10月15日の高値114.46円(相対力指数RSI:75.41)から10月20日の高値114.70円(相対力指数RSI:75.02)にかけて、逆行現象(ダイバージェンス)となっていること、9月22日の109.12円から陽線新高値10手で上昇してきたことで、酒田罫線法の「新値八手十手は酒田の骨子」により、買い持ちポジションの手仕舞いが出やすい局面になっている。

 ドル円のポジション分析でも、10月19日時点のシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の投機筋の円の売り持ちポジションが10万2734枚となり、2018年12月以来の水準となっており、過熱感が警戒されている。2018年12月のドル円は113.85円の高値から109.56円まで下落した。