今回はエリオット波動理論について解説します。

エリオット波動理論は1920年代にラルフ・ネルソン・エリオットによって提唱されました。

ご存知のようにエリオット波動理論は提唱されてから100年たった今でも使用されています。

エリオットは市場は繰り返しのサイクルで動くと信じており、それらのサイクルを波と名付けました。

それではエリオット波動についてチャートを見ながら解説します。


こちらのチャートは実際には弱気のエリオット波動です。

最初の波はインパルスウェーブと呼ばれます。

最初の波が第1波だったのかそれとも前のトレンドのリトレースメントなのかを判断することは不可能です。

したがってこの波では以前のトレンドはまだ有効です。

次の波はコレクションウェーブと呼ばれます。

エリオット波動は常にインパルスウェーブかコレクションウェーブのいずれかです。

最初の波の開始点より下に伸びることはできません。

実際には最初の波のリトレースメントであり、通常は最初の波の61.8%を超えてリトレースしないため、ここでフィボナッチリトレースメントツールを使用して測定できます。

次に第3波に移ります。

第3波は通常全ての中で最大の波となります。

このチャートに示されているように、元の強気の傾向がもはや優勢ではないことを明確に示しています。

第2波までは上昇傾向がまだ続いていると見ることができますが、第3波の終わりには上昇傾向はもうありません。

第4波はコレクションウェーブとなり、第3波の38.2%未満をリトレースします。

第5波は現在支配的なショートトレンドの方向への最後となります。

このウェーブの終わりにモメンタムインジケーターはダイバージェンスを示し始め、現在の下降トレンドの終わりを見ることが出来ます。

5つの波の後は修正傾向が始まります。

第1波から第5はまでは同じ方向に動き、a、b、c波は別の方向に動きます。

a波は通常第5波の始まりまで上昇します。

次はb波です。

b波では価格は逆に安くなりますが、通常はa波の50%以上になり、ヘッドアンドショルダーが形成され始めます。

最後のc波は通常a波と同じサイズです。

そのためa波の長さを測定した後利益を得ることが出来ます。

フィボナッチツールはこの理由で特に使用されます。

エリオット波動のいくつかの原則について説明します。

そうすればエリオット波動でどのようにトレードするかを理解できます。

エリオット波動の最初の重要な原則は、エリオット波動が完全な状態になることは滅多にないということです。

エリオット波動がどのように見えるかを理解できるように完璧に近い波動を示しましたが、実際にはエリオット波動はトレーダーによる解釈に非常にオープンであり、主観的である場合があり、完全な状態になることは滅多にありません。

エリオット波動の次の原理はエリオット波動は本質的にフラクタルであるということです。

フラクタルとは、例えば1時間足でエリオット波動を識別した場合、そのエリオット波動の第1波を取得し、タイムフレームを小さくした時に、この波もエリオット波動でできていることがわかります。

これがフラクタルの意味です。

つまり、タイムフレームをズームしても他のエリオット波動を確認することが出来ます。

エリオット波動の次の原理は、非常に多くの場合最後の波であるc波は反対方向に進むエリオット波動の第1波であるということです。


したがって例えば強気のエリオット波動があり、c波が弱気の場合、c波は別のエリオット波動の第1波になることもあります。

エリオット波動はしばしば互いに接続されています。

次にエリオット波動を使用するトレード方法を紹介します。

大きなリトレースメント、または大きなトレンドの動きの後に価格を調べ始めます。


この場合、ここに第1波があり、以前の上昇トレンドがあったか、別のエリオット波動が終了しました。

最初の波は常に逆行とみなされます。

c波も第1波であると思われる場合はフィボナッチリトレースメントツールを使用して第1波のリトレースメントに入ることができるので、ここでフィボナッチリトレースメントをプロットし、50%レベルをマークします。

ここでは50%が適切なリトレースメントレベルですが、別のレベルになる場合もあります。

このようにしてフィボナッチリトレースメントで第3波も取得できます。


次に例えば同じ手法のフィボナッチリトレースメントを使用して第3波のリトレースメントもトレードできます。

第3波の50%レベルに再びエントリーすることが出来ます。

第5波は通常最大のものであるため、第4波から第5波の場合は大きなターゲットが必要であることを覚えておく必要があります。

第5波の後、リトレースメントが自然に発生するのを待ちa波はトレードしません。

a波のリトレースメントをトレードしてc波を取得します。

そのために再度フィボナッチリトレースメントをプロットします。


第5波からa波を測定し、次にb波を測定し、100%のターゲットを取得します。

このターゲットは第5波からa波までと同じpips数になります。

通常ほとんどの場合、c波は第5波と全く同じ長さになります。

bからcは第5波からa波と同じになります。

目標はほぼ正確に100%になり、さらに高くなり続きています。