本日のニューヨーク為替市場では、米議会が債務上限の問題について落しどころを見つけられないなかでドル円の上値は追いづらそうだ。

 イエレン米財務長官は先月末、何らかの対応が取られなければ10月18日前後に財務省の資金が尽きると警告。米議会予算局(CBO)も10月後半か11月初めまでに財務省の資金が尽き、特例措置も使い切るとの見通しを示した。CBOをベースとすれば、まだ余裕はあるとはいえ残りは約1カ月。米債デフォルトへの警戒感がジワリと高まりつつある。


 ただ、オーダー状況を見る限りでは110円台を売り込むのもきつそう。本日安値の下110.80円から下には満遍なく買いオーダーが控えている。また111.00円や110.50円には、8日NYカットのオプション設定が観測され、既に今週末の9月米雇用統計に向けた準備は万端というところか。


 久しぶりに貿易問題について米中間の言い合いも注目されそうだ。米通商代表部(USTR)のキャサリン・タイ代表は4日、中国が第一段階の米中貿易合意を順守していないと公表するもよう。不順守に対し、USTRは追加関税を含めた対応策を検討していると米メディアが報じた。ただ、一部通信社が「タイUSTR代表と劉鶴・中国副首相が近く会談する」と伝えており、両者が歩み寄る可能性も期待されてはいる。


 ほか、北アイルランド議定書を巡る英国と欧州連合(EU)の亀裂拡大にも要警戒か。フロスト英・欧州連合(EU)担当交渉官は本日、「北アイルランド議定書は機能しておらず、変更が必要」とし、新たな提案をすると述べた。これまでの言い分を通したわけだが、EU側が英の望むような返答をする可能性は低そうだ。


想定レンジ上限

・ドル円は111.62円(9月30日高値-本日安値までの下落幅の61.8%戻し)。ユーロポンドは日足一目均衡表・転換線0.8592ポンド。


想定レンジ下限

・ドル円は日足一目・基準線と転換線110.60円。ユーロポンドは9月16日安値0.8501ポンド。