25日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、ニューヨーク株式市場が堅調に推移したことで113.92円まで堅調に推移した。ユーロドルは、10月独Ifo企業景況感指数が予想を下回ったこと、独連銀が月報で「独経済成長は第4四半期に大幅に減速」とハト派的な見解を示したことで1.1591ドルまで軟調推移。ユーロ円も131.86円まで連れ安に推移した。


 本日の東京外国為替市場のドル円は、ダウ平均が史上最高値を更新したことによるリスク選好地合いやNY原油価格が83ドル台で高止まりしていることで底堅い展開が予想される。


 もっとも、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)でのテーパリング(資産購入の段階的縮小)開始表明や11月から12月にかけての着手は織り込み済みであり、先週末にパウエルFRB議長が早期利上げに否定的な見解を示したことで、ドル円の上値も限定的だと思われる。


 ドル円のテクニカル分析では、10月20日に114.70円まで続伸した後に、高値圏での逆行現象(ダイバージェンス)により、調整局面に入っており、一目均衡表・転換線の113.96円が上値を抑える展開が予想される。

 ドル円のオーダー状況は、113.55円の27日のNYカットオプション、113.75円と113.84円の28日のNYカットオプションを軸にして、上値には、113.90円から114.00円にかけて断続的にドル売りオーダーが控えている。下値には、113.40円、113.20円、113.00円にドル買いオーダーが控えている。


 ドル円は、115円の節目を前に、買い持ちポジションの利食い売りが優勢となっている。現在のドル円の実質実効為替レートは、70台を割り込みつつあり、黒田日銀総裁が2015年6月に「実質実効為替レートを基準にすれば、現在のドル円レート(※125円付近)は相当な円安水準であり、これ以上の円安水準はありそうにない」と警告した67台を窺う展開となっている。米財務省が毎年4月と10月の中旬に議会に提出する為替報告書では、毎回、円の実質実効為替レートに言及されている。今年4月16日に公表された為替報告書では、2020年の円の実質実効為替レートは、2019年に1.5%円高に推移した後、1.1%円安に推移した、と言及されていた。今月発表予定の為替報告書では、日本は、4月と同様に為替監視国に入ると予想されているが、トランプ米政権の時のような日米貿易不均衡是正の圧力はないものの、黒田シーリング付近での実質実効為替レートへの言及に注目したい。


 リスク要因としての中国恒大集団のデフォルト(債務不履行)懸念に関しては、今週も9月29日の利払い4750万ドルの猶予期間が迫っているものの、一部事業の再開などが報じられていることで、警戒感が後退しつつある。また、トルコ情勢に関しても、エルドアン大統領が米独仏などの駐トルコ10大使の追放を警告した問題を巡り、米国大使館が「トルコの内政に干渉しない」との見解を発表し、エルドアン大統領も「大使らは我が国と司法への中傷を撤回した」と表明したことで、警戒感が後退しつつある。