16日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米10月小売売上高が前月比+1.7%と予想を上回り、米10年債利回りが1.64%台へ上昇したことで114.85円まで上昇した。ユーロドルは1.1309ドルまで下落した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、米10年債利回り1.63%台を受けたドル買いとニューヨーク株式市場の上昇を受けたリスク選好の円売りで115円台乗せを目指す堅調推移が予想される。ドル円の115.00円にはドル売りオーダー、超えるとストップロス買い、本日のNYカットオプションが控えている。
現在のドル円の実質実効為替レートは70台まで低下し、黒田日銀総裁が2015年6月に125円付近で「実質実効為替レートを基準にすれば、現在のドル円レートは相当な円安水準であり、これ以上の円安水準はありそうにない」と警告した水準まで低下している。しかし、黒田日銀総裁は先日の会見で「現時点で若干の円安だが、これが『悪い円安』とか日本経済にとってマイナスになるということはない。今の円安水準が日本経済に総合的にプラスであることは確実だ」と述べ、115円付近の円安を容認している。
8時50分に発表される日本の10月の貿易収支は、季節調整前3100億円の赤字、季節調整済6092億円の赤字と予想されている。予想通りならば、3カ月連続の貿易赤字(8月:-6371億円、9月:-6227億円)となり、ドル円の最近の堅調な展開を裏付けることになる。しかし、対米貿易収支は年初来黒字基調で、1-9月では4兆2556億円の貿易黒字を計上しており、昨年同時期の3兆2652億円の貿易黒字から約1兆円の黒字幅増加となっている。4月に公表された米財務省の為替報告書では、日本は監視対象国となっているものの、今回の萩生田経済産業相とレモンド米商務長官の会談で「日米商務・産業対話パートナーシップ」の設立で鉄鋼・アルミニウムの輸入関税が減額・撤廃される可能性が高まっており、日米貿易不均衡の拡大は材料視されないのかもしれない。しかし、昨日の米中首脳会談では、バイデン米大統領が習中国国家主席に対して、第一段階の通商コミットメントの履行を求めたとのことで、米国の貿易赤字が過去最大規模に膨らみつつある中、予断を許さない状況は続くことになる。
また、バイデン米大統領は「FRB議長職に関するニュースを今後4日前後で発表する」と述べており、今週末に向けて関連ヘッドラインには引き続き要警戒となる。バイデン米大統領は、パウエルFRB議長を続投させるかどうか検討しているほか、進歩派の議員が支持しているブレイナードFRB理事と面談しており、次期FRB議長候補はこの両者に絞られている。パウエルFRB議長は利上げに関して忍耐強さ(patience)を強調しているが、ハト派の急先鋒であるブレイナードFRB理事はより忍耐強いと思われることで、ブレイナード第17代FRB議長誕生ならば、ドル売り要因となる。
