本日のNY為替市場のドル円は、新型コロナウイルス変異型「オミクロン株」への警戒感が払拭されない中で、感染拡大状況を見極めながら、サイバーマンデーの本日予定されているバイデン米大統領によるオミクロン株と米国の対応についての米国民への説明に注目することになる。


 米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は、オミクロン株が米国に既に流入している可能性に言及しつつ、オミクロン株について明確な情報を得るには約2週間かかると述べている。欧州連合(EU)の欧州疾病対策センター(ECDC)は、「新型コロナ変異型『オミクロン株』はワクチン効果を著しく低下させる恐れがある」と指摘している。専門家は、オミクロン株が他の株よりも重症化につながりやすいかどうかも解明していないことで、当分の間は、リスク回避の株売り、原油売り、ドル売りが市場を支配することになる。


 石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国でつくる「OPECプラス」は、本日と明日に予定していた会合をそれぞれ12月1日と2日に延期した。南アフリカなどで確認されたオミクロン株が原油の需要と価格にどう影響を及ぼすか見極める時間を確保することが狙い、と報じられている。


 ドル円のテクニカル分析では、高値圏での「逆行現象」により、反落の可能性が示唆されている。すなわち、相対力指数(RSI:14日間)で、10月20日の高値114.70円の時が75.03、11月24日の高値115.52円のときが66.02となり、「弱気の乖離(ベアリッシュ・ダイバージェンス)」が出現している。ダブル・トップ(114.70円・115.52円)の完成には、ネック・ラインの112.73円を割り込むことが条件であり、一目均衡表の雲の上限も112.93円に位置していることで、113円割れには要警戒となる。


・想定レンジ上限

 ドル円の上値の目処(めど)は、一目・転換線の114.26円。


・想定レンジ下限

 ドル円の下値の目処(めど)は、一目・雲の上限の112.93円。