海外市場でドル円は、ダウ平均が一時700ドル近く下げ、クロス円が売られた場面では一時113.33円と本日安値をわずかに更新した。ただ、米長期金利が上昇したため、その後は下値を切り上げ早朝に付けた高値113.73円まで戻した。ユーロドルは「先週の欧州中央銀行(ECB)理事会で多数のメンバーがインフレの上振れリスクを認めるべきと主張していた」との一部報道を受けて独長期金利が上昇したことで、一時1.1304ドルまで上値を伸ばした。
トルコリラは、一時対ドルで18.3633リラ、対円で6.17円とそれぞれ史上最安値を更新した。しかし、エルドアン大統領がリラ預金の新たな保護策を講じる姿勢を示すと一転して急反発。インターバンク市場では12.2756リラ、9.86円まで大幅にリラは買い戻された。
本日の東京時間のドル円は引き続きレンジ取引か。昨日のNY時間の値動きを見ていても米金利、米株の動向に連れる場面もあったが反応は限られている。市場がすでにクリスマス休暇モードに入っていることと、オミクロン株が与える影響を見定めるのがいまだに難しいことで、市場は大きくリスクを傾ける状況にはない。昨年を振り返ってみても、クリスマスを迎える週初から年末までのレンジは1円未満だったことを考えると、今年も大きなレンジを期待するのは難しそうだ。また、昨日米民主党のマンチン上院議員が「ビルド・バック・ベター(より良い再建)」法案に対して支持をしないと表明したが、バイデン米大統領はマンチン議員とは「友好的な関係が維持され、1月には再び法案について話し合う」と述べていることで、この問題も越年となり、今年は同法案で市場を動意づけることが難しくなっている。
その中で市場を動意づけることがある最大のリスク要因としては、オミクロン株の動向となる。オミクロン株に関しては、南アフリカ医師会の全国議長であるクッツェー博士が「同株の症例数が減少し始めている」と述べている。その反面、世界保健機関(WHO)の主任研究者は「オミクロンがより穏やかな変種であると結論付けるのは時期尚早」と発言するなど、いまだに同株については未知数なところが多く、今後の状況を見定める必要がありそうだ。なお、昨日バイデン米大統領は感染拡大が深刻なニューヨーク州について対処を迫っていることで、同州が何らかの規制を行う可能性もある。
また、日程は定まってはいないがウクライナ情勢について北大西洋条約機構(NATO)と米国がロシアの草案に対する回答を今週中に行う予定となっていることで、引き続きウクライナ絡みの報道には要警戒となる。
主要通貨は比較的にレンジの大枠から抜け出せてはいないが、トルコリラの振幅が激しく、本日もボラタイルに動くだろう。昨日のリラは対ドルで先週末の引け値から25%超上昇している。引き続きエルドアン・トルコ大統領の発言で乱高下を繰り返すことになるだろう。なお、昨日のリラ円のレンジはドル/リラとドル円の計算値を超えて出合っていることで、リラは対ドルだけでなく対円でも大きなスイングとなるか。
