海外市場でドル円は、クロス円主導での円売りの地合いに乗って一時114.37円と本日高値を付けた。もっとも、根強いドル売りに押される形で引けにかけて114.08円付近まで値を下げた。ユーロドルは対オセアニア通貨主導でドル安が進んだ欧州時間からの流れを引き継いでNY時間でも堅調に推移した。ロンドンフィキシング(日本時間1時)に向けてさらにドル安が進んだ影響も受けて一時1.1342ドルまで値を上げた。
本日の東京時間のドル円は114円前後でのもみ合いとなるか。昨日も堅調な株式市場やコモディティに連れリスクオンの円売りが優勢となった。また、年末にかけてのロンドンフィキシングのドル買い・円売りもドル円を支えている。
本日もドル円は114円前半を中心としたもみ合いとなるか。昨年の需給的なバランスを見ても、年末まではフィキシングではドル買いが多かった。しかしながら、年末までの2週間のレンジは1円にも満たなかったことを考えると、今年も大きく相場の流れが変わるような動きを期待するのは難しそうだ。また、本日のNYカットで114.10円のオプションが期限を迎えることで、同水準近辺では神経質な動きが予想される。
クリスマスのホリデーシーズンということを考慮すると、大きなサプライズを期待するのは難しい。しかしながら、リスク要因については、念頭に入れておかなければならない。ポジティブリスクとしては、上院民主党で唯一「より良い復興」(ビルド・バック・ベター=BBB)計画に反対しているマンチン上院議員の動向だ。同議員は拡大された児童税額控除が、本来の目的以外に利用されることを懸念してBBBに反対し、より厳しい収入制限や、児童の保護者として祖父母への資格取得なども求めている。バイデン政権は同議員の支持団体を説得することで、外堀を埋めようとしているが、同議員を立てるためにも児童税額控除の微調整もあり得るかもしれない。水面下の交渉が進むのはクリスマス休暇以後とされているが、バイデン米大統領がクリスマス・プレゼントとして早期の交渉成立を目指すかもしれない。
ネガティブリスクとしては、北大西洋条約機構(NATO)とロシアとの関係悪化の可能性が高まっていることがあげられる。ウクライナ国境近くでの軍事力増強が続く中、ロシアが提案した緊張緩和に向けて新たな協定草案の回答期限が近づいている。NATOと米国がこの草案を丸呑みすることはあり得ないことで、欧州とロシアとの緊張関係がさらに増す可能性には警戒しておきたい。
新型コロナウイルス・オミクロン株については不透明感が強く、ポジティブ・ネガティブの両面でのリスク要因があり、現時点では判断がつきにくい。欧米では市中感染の拡大が続いていることで、医療体制のひっ迫が懸念されている。一方で、新たな研究結果でオミクロン株はデルタ株よりも重症化になる確率が少ないとの報告もある。ただし、研究結果については、いまだに不確実ともいわれていることで、今後の展開を見守る必要がありそうだ。
なお、本日は黒田日銀総裁が日本経済団体連合会審議員会で講演を行う予定。また、米国入り後には米連邦公開市場委員会(FOMC)が最も重要視する指標の一つである、11月米個人消費支出(PCE)が発表される。
