海外市場でドル円は、米10年債利回りや米国株が上昇したことをきっかけに買いが先行。ダウ平均は570ドル超高、米10年債利回りは1.49%台まで上昇幅を広げたため、一時114.22円まで上値を伸ばした。ユーロドルは「米長期金利の上昇が相場の重しとなったほか、ロシアからの供給懸念で欧州天然ガスが急騰し消費者マインドが悪化するのではとの警戒感が浮上したことが嫌気された。一時1.1261ドルまで下押しする場面があった。


 本日の東京時間のドル円は114円前後でのもみ合いとなるか。昨日は米金利の上昇、堅調な株式市場やコモディティの動きに連れてリスクオンの円売りが優勢となった。もっとも、この上は先週米連邦公開市場委員会(FOMC)後に跳ね返された水準(15日高値・114.26円、16日高値・114.25円)であることで、クリスマス休暇モードに入っている市場が積極的に買い仕掛けをできるかは定かではない。


 米国での新型コロナウイルス・オミクロン株の感染は拡大し、一部スポーツイベントなどでシーズンが中断されている。今後も同様な事態になれば、経済的に悪影響を与える可能性がある。その一方でバイデン米大統領はワクチン接種者のクリスマスに掛けた移動については認める方針を繰り返し述べている。米国内でもオミクロン株の捉え方にずれが生じているように、為替市場もオミクロン株の感染による経済的な悪影響を懸念する市場参加者は手堅く売りを置き、オミクロン株が米経済の過熱感を冷ますほどではないとしている参加者の買いスタンスは変わらないだろう。


 本日の注目材料としては、週初に一時とん挫したと思われたバイデン政権の「より良い復興」(ビルド・バック・ベター)計画だが、バイデン米大統領は諦めることはなく、法案に反対している「マンチン上院議員とともに、なにかを合意する(get something done)」と発言をしていることで、今後の展開に注目しておきたい。また、オミクロン株については上述のようにとらえ方に相違が生じている。オランダではロックダウンを開始したものの、多くの国では「クリスマス前の規制はない」としている。ただし、これは英国のジョンソン首相のように、すでに支持率が急低下していることで、1年で最大のイベントを今年も自粛要請を行うと政治的生命にもつながるためであり、クリスマス後の対応が異なる可能性もあることには留意しておきたい。


 なお、本日のアジア時間では10月27−28日分の日銀金融政策決定会合議事要旨が公表される以外は主だったイベントはない。もっとも、昨日発表された豪準備銀行(RBA)の議事要旨が12月上旬(わずか2週間前)のもので、新鮮な内容が織り込まれていたのと比較すると、日銀の議事要旨は約2カ月前のもののため、市場にとっては賞味期限の切れた議事要旨へ反応できないだろう。