週明けのニューヨーク為替市場でドル円は、強まったままの米金利先高観を支えに下げ渋る展開か。先週末に米国の金利は低下して終えたものの、週明けアジア市場から低下幅は縮小。11月米雇用統計では非農業部門雇用者数が市場予想を下回ったが、失業率や労働参加率が改善されており、米連邦準備理事会(FRB)が今後テーパリングを加速させる可能性はある、と見る向きは多そうだ。
CMEのFF金利先物の動向をもとにした米連邦公開市場委員会(FOMC)に対する金利織り込み度を示すFeDWatchでは、来年末までに最低でも2回の0.25%利上げを8割以上見込んでいる。新型コロナウイルス・オミクロン株の影響はまだ明らかではないが、今のところ感染しても軽症または無症状という報告が多い。警戒は当然必要ではあるものの、米金融当局者のインフレ懸念を和らげるほどでもなく、正常化に向けた金融政策の方向性は変わらないのではないか。
もちろんドル円の下サイドへのリスクもある。先週の米ハイテク株の弱さや週末のビットコインの暴落(反発しているが上値はまだ重い)は気になるところ。米国が北京五輪の外交ボイコットを決定すれば、米中関係の更なる悪化は避けられないだろう。米露首脳会談が明日予定されているが、ウクライナを巡る西側とロシアの対立も注意が必要だ。また、通貨先物では溜まった円ショートを縮小させる動きも見受けられ、こちらも上値の重さに繋がるかもしれない。