本日のNY為替市場のドル円は、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染拡大状況を注視しながら、米11月雇用統計を見極める展開となる。


 米11月雇用統計の非農業部門雇用者数の予想は前月比55.0万人の増加で、10月の前月比53.1万人の増加から改善が見込まれ、失業率の予想は4.5%で、10月の4.6%からの低下が見込まれている。米国の雇用情勢が予想通りに改善傾向を示していた場合、パウエルFRB議長が言及したように、12月14-15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)でテーパリング(資産購入の段階的縮小)増額が検討され、来年1月から300億ドル(米国債:200億ドル+住宅ローン担保証券MBS:100億ドル)への増額の可能性が高まることになる。


 しかし、南アフリカ発の新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染が世界各国、そして米国内でも拡大しつつあることで、重症化が確認された場合は、現状の150億ドルのテーパリングが当面続くことになる。

 米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は、オミクロン株について明確な情報を得るには約2週間かかると述べており、今後2週間程度はオミクロン株を巡る不透明感が市場を支配することになる。


 ドル円のテクニカル分析では、高値圏での「逆行現象」、「弱気の乖離(ベアリッシュ・ダイバージェンス)」の出現により、ダブル・トップ(114.70円・115.52円)の可能性が示唆されている。ネック・ライン(112.73円-112.53円)を明確に下抜けた場合は、目標値110円処が点灯することで、要警戒となる。