本日のNY為替市場のドル円は、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染拡大状況やOPECプラスでの増産停止の可能性に警戒する展開となる。


 石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」は、本日の閣僚級会合で、新型コロナのオミクロン変異株が需要の重荷となりつつあることで、来年1月に予定する小幅な供給拡大を遅らせる決定が警戒されている。共同技術委員会(JTC)は、来年1-3月期の供給過剰が日量190万バレルに上ると予測しており、従来の予測日量300万バレルほどではないが、なお膨大だとの予測を示している。

 米疾病対策センター(CDC)は、昨日、カリフォルニア州で米国内で初のオミクロン株感染者が確認されたと発表した。感染者は、11月22日に南アフリカ共和国から戻った渡航者で、ワクチン接種済みで症状は軽く改善されつつあり、現在は自己隔離中と報じられている。

 米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は、先日、オミクロン株が米国に既に流入している可能性に言及しており、オミクロン株について明確な情報を得るには約2週間かかると述べており、今後2週間程度はオミクロン株を巡る不透明感が市場を支配することになる。


 ドル円のテクニカル分析では、高値圏での「逆行現象」、「弱気の乖離(ベアリッシュ・ダイバージェンス)」の出現により、ダブル・トップ(114.70円・115.52円)の可能性が示唆されている。ネック・ライン(112.73円-112.53円)を明確に下抜けた場合は、目標値110円処が点灯することで、要警戒となる。