海外市場でドル円は、米長期金利の上昇とともにドル買いが先行すると一時115.68円まで上昇した。ただ、パウエルFRB議長の発言が、警戒したほどタカ派的な内容ではなかったことで、ドルを売る動きが優勢となり115.20円台まで下押しした。ユーロドルは、一時1.1375ドルまで上昇した。
本日の東京時間のドル円は、115円前半を中心とした動きになるだろうが、上値は限られたものになるか。今後の日米間の政策金利動向を考えると、中長期的にはドル円に対して市場参加者の買い意欲は引かないだろう。しかしながら、雇用統計後のドル円の上値の重さや、市場参加者がここ数日のドル円の下げは調整局面と言い続けていることを考慮すると、いまだにドルロングを抱えたままで、もう一段の調整が入りドルロングがある程度投げられ切るまでは、ドル円の上値が重いままとなるかもしれない。
米雇用統計後は米金利の上昇には反応が鈍かったドル円だが、昨日は米中長期金利の値動きに連れた動きになるなど、徐々に金利水準にも再び反応して動意づくようになりつつある。本日は、日本時間では日付の変わった13日3時頃に、米10年債の入札が予定され、同・4時頃には米地区連銀経済報告(ベージュブック)の発表も控えていることで、東京や欧州時間と米国入り後の米金利の動きが異なる可能性もあり、ドル円のトレンドも変化する可能性が高いことには注意したい。また、日本時間22時半には、米国の12月消費者物価指数(CPI)も発表される。
アジア時間では12月中国CPIと生産者物価指数(PPI)が発表される。市場は、PPIは前年比で10月に+13.5%と約26年ぶりの高い伸びを記録したが、11月は+12.9%と伸びがやや鈍化し、12月も一段と伸びが鈍化すると予想。CPIは11月に+2.3%と2020年8月以来の高い伸びとなったが、12月はPPI同様に伸びが鈍化すると見込まれている。ここ最近は中国の経済指標での反応は鈍くなっているが、中国経済と結びつきが深い豪ドルが反応した場合は、対円での動きに波及する可能性があることには注意をしておきたい。
堅調に推移しているユーロドルだが、本日はブリュッセルで北大西洋条約機構(NATO)・ロシアの間で理事会が開かれる。ウクライナ問題はこのまま平行線をたどる可能性が高まっているが、フィンランドのNATO加盟希望やカザフスタン情勢などもあり、今後のロシアとの地政学リスクの高まりには引き続き要注目となる。
なお、多くの国が新型コロナウイルス・オミクロン株に関しては、重症化が少なく、経済を回し続けていることで気には留めない傾向にある。しかしながら、米国ではオミクロン株が新規患者の98%を占め、入院者数も過去最大となっている。また、病院、交通機関、ごみ収集や様々なインフラ施設なども感染による人手不足で、徐々に経済的な悪影響が出てきている。中長期的な経済への影響にも目を向けていく段階が近づくかもしれない。
