海外市場でドル円は、弱含んだ。12月米消費者物価指数(CPI)は前年同月比7.0%上昇と11月の6.8%上昇から一段と拡大し、約39年ぶりに7%台に達した。ただ、市場では「ほぼ予想の範囲内」と受け止められ、急速指標発表後に全般ドル売りが強まると一時114.38円まで下げ足を速めた。ユーロドルは、一時1.1453ドルと昨年11月15日以来約2カ月ぶりの高値を更新した。

 本日の東京時間のドル円は、114円台中心でもみ合いとなるか。昨年1月の第1週にドル円の年初来安値を付けたように、12月後半から1月初旬は騙しの動きが多い。1月4日につけた高値116.35円から、すでに昨日2円弱(114.38円まで)下落したことで、年末年始からあまりに加熱していたドル円のブル・トレンドが一旦は休止した感じだ。また、対円だけではなく、対欧州通貨や、対新興国通貨でもドル売りが進んでいることもあり、ドル円だけが一方向で買い戻されるのは考えにくい。今後の日米間のインフレや政策金利動向を考えると、中長期的にはドル円に対して市場参加者の買い意欲は引かないだろうが、これまでのように上値を追いかける相場に戻るには時間がかかりそうだ。

 本日のアジア時間では、朝方に11月ニュージーランド(NZ)住宅建設許可件数が発表されたこともあり、市場を動意づかせるような経済指標の発表はほぼない。よって、アジア市場では株式市場の値動きや実需勢の値動きに注目が集まりそうだ。上述のように2円近く下落したこともあり、ドル円は個人投資家を中心に買いが入る可能性もあるだろうが、この流れが欧米時間も続くと考えるのは難しく、時間帯により動きが異なることに警戒しながらのトレードが必要となりそうだ。

 欧州時間に入ると、政治と地政学リスクの高まりには要警戒となる。政治面では、ジョンソン英首相が昨年5月のロックダウン中に、官邸内でのガーデンパーティの酒宴に参加したことをようやく認めた。首相への辞任要求が今後高まる可能性があり、これまで2020年2月以来の水準までユーロ売り・ポンド買いが進んでいた流れが急変する可能性もある。

 地政学面では、昨日行われたブリュッセルで北大西洋条約機構(NATO)・ロシアの間で理事会は、「非常に深刻に率直な話し合い(a very serious and direct exchange)」が行われたが、ウクライナ問題は平行線をたどっている。本日、米露や欧州諸国が加盟する全欧安保協力機構(OSCE)での協議が予定されていることで、この会談後のロシアの動きで地政学リスクが高まるのか、平行線をたどるのかを判断する必要がありそうだ。

 新型コロナウイルス・オミクロン株の感染拡大に関しては、市場は気に止めていない傾向がある。しかしながら、昨日米食品医薬品局(FDA)のウッドコック局長代理は上院保健委員会で、「ほとんどの人が感染する可能性が高い」と発言。今後の医療従事者、警察、交通機関での人手不足がさらに深刻になる可能性も示唆した。すでに多くの都市で交通や輸送を中心としたインフラが麻痺していることで、今後の経済への悪影響を軽視することが出来ない段階に入るかもしれない。