本日のニューヨーク為替市場は、米連邦準備理事会(FRB)がタカ派色を強めるなかでドル円の下値は限定的か。欧州通貨は、ウクライナ情勢を気にかけながら月末のロンドンフィキシング(日本時間1時)に絡んだフローで右往左往させられそうだ。

 ボスティック米アトランタ連銀総裁は週末の英FT紙とのインタビューで、2022年に0.25%の利上げを3回、最初の利上げは3月会合との考えを示した。しかしながら「あらゆる選択肢がテーブル上にある」とし、「経済データによって正当化されるのであれば、3月に0.5%の引き上げや、連続する会合での利上げも受け入れる」と述べた。

 ボスティック総裁は今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)投票メンバーではないものの、これまでハト派な意見が目立った同総裁が積極的な引き締めについて言及したことは、市場の金利先高観に安心感を与えることになりそうだ。なお本日はデイリー米サンフランシスコ連銀総裁の講演が予定されており、発言内容を受けて、短期金利市場が利上げ織り込み度合いを強めるかが注目される。

 ただし株式市場が3月0.5%利上げへの準備が整っているとは思えず、金利上昇への思惑が強過ぎた場合は、先週末に反発した米株の失速に繋がってしまうかもしれない。その場合は、リスク回避の円買いがドル円の頭を抑えることになるだろう。

 なお欧州の安全保障を巡り、今週再び米国とロシアの外相が話し合うとされているが、両者の溝は簡単に埋まりそうにない。ロシアによるウクライナ侵攻(北京冬季五輪後?)への警戒感は高まったままであり、地政学リスクを意識した値動きはまだ暫く続くことになるのではないか。