8日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米10年債利回りが1.9686%まで上昇したことで115.63円まで上昇した。ユーロドルは、ビルロワドガロー仏中銀総裁が「ECBに対する市場の反応は強すぎた可能性」と発言したことで1.14ドル台前半で軟調に推移した。ユーロ円は132.03円まで上昇したものの、ビルロワドガロー仏中銀総裁の発言で上値は限定的だった。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、明日発表される米国1月の消費者物価指数への警戒感から底堅い展開が予想される。

 明日発表される米1月の消費者物価指数の予想は前年比+7.3%で、昨年12月の前年比+7.0%からの更なる上昇が見込まれている。米1月の平均時給は前月比0.7%上昇、前年比5.7%上昇していたが、前月比0.7%の上昇は、年率に換算した場合9%程度の上昇となり、急激な賃金インフレが米国の物価上昇を牽引していることになる。米1月消費者物価指数の数字次第では、複数の米連邦準備理事会(FRB)高官が鎮静化に努めている3月FOMCでの0.50%の利上げの可能性が高まることになる。

 ドル円の上値を抑える要因として、米国と中国の新疆ウイグル自治区や台湾を巡る対立激化による地政学リスクと貿易戦争の再燃が挙げられる。7日、米商務省産業安全保障局(BIS)は、中国の33企業・団体について輸出許可前の確認や出荷後の検証を十分に実施できていないとして、輸出に注意を要する「未検証者リスト(UVL)」に追加した。さらに同日、複数の米政府高官が、第1段階の米中通商合意に盛り込まれた目標を達成するための「具体的な行動」を中国政府に求めている。トランプ米政権が合意していた米中第1段階通商合意では、中国は2020─21年に米国の製品とサービスの購入を2000億ドル増やすことになっていたが、達成率は60%程度となった模様で、米中貿易戦争の再燃に要警戒か。
 米国の2021年の貿易赤字は過去最大の8591億ドルとなり、対中貿易赤字も3553億ドルとなっており、11月の中間選挙に向けて、貿易赤字削減策が打ち出される可能性に要警戒か。その他、バイデン大統領が成立を目指している「気候変動・社会保障関連歳出法案」に反対している米民主党のマンチン上院議員が、協議を最初からやり直す必要があると指摘していること、ウクライナ情勢を巡る地政学リスクなどが挙げられる。また、15日の米国債償還・利払いに向けた本邦機関投資家の円転なども上値を抑える要因となっている。

 ドル円の注文状況は、上値には、115.70-80円に断続的にドル売りオーダー、超えるとストップロス買い、115.80円には本日のNYカットオプション、116.00円にドル売りオーダーが控えている。下値には、114.90-115.00円に断続的にドル買いオーダー、114.80円にドル買いオーダー、割り込むとストップロス売りが控えている。