18日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは、緊迫化するウクライナ情勢を背景にユーロ売り・ドル買いが優勢となり、1.1315ドルまで下落した。ユーロ円も、欧米株価の下落を受けてリスク・オフの円買い・ユーロ売りが優勢となり130.21円まで下落した。ドル円は、米長期金利の低下に伴う円買い・ドル売りと、対ユーロなどでドル高が進んだ影響を受けたため、大きな方向感が出なかった。
本日の東京外国為替市場のドル円は、オリンピック休戦期間が終了し、米国(プレジデンツデー)とカナダ(ファミリーデー)が休場で、24日に米露外相会談を控えていることで神経質な展開が予想される。
18日、バイデン米大統領は、ロシアのプーチン大統領がすでにウクライナ侵攻を決定し、首都キエフを含め同国を近日中に攻撃する計画であることを確信していると述べた。
19日、ロシア軍は、プーチン大統領の指揮の下で核戦力部隊などの大規模演習を行い、大陸間弾道ミサイル(ICBM)や極超音速ミサイルを発射した。米国を含めた北大西洋条約機構(NATO)諸国に対し、ロシアが「勢力圏」と見なすウクライナに関与しないよう威嚇する意図があるとみられる。
19日に開催された先進7カ国(G7)のミュンヘン安全保障会議での外相会合では、ロシアが侵攻した場合は「ロシア経済に前例のない打撃を与える幅広い経済・金融制裁を確実に科す」と警告して、外交解決を呼び掛けている。
昨日20日に北京冬季五輪が閉会してオリンピック休戦期間が終了した。しかし、ロシアとベラルーシによる合同軍事演習が終了予定だったが、演習の継続が決定された。
また同20日、マクロン仏大統領とプーチン露大統領が、ウクライナ情勢をめぐって電話で会談し、ロシア、ウクライナ、欧州安全保障協力機構の3者会談を目指して、数時間内に作業を始めることで合意した、と報じられている。仏メディアは、プーチン露大統領が、ロシアとベラルーシで行っている合同軍事演習の終了後、ベラルーシから露軍を撤収する意向を再確認したと伝えた、と報じており、関連ヘッドラインに要警戒か。
プーチン露大統領は、2014年2月27日、ソチ冬季五輪閉会4日後、新月(3月1日)前にクリミア侵攻を開始しており、今年も新月(3月3日)に向けて予断を許さない状況は続く。
しかしながら、24日に、ブリンケン米国務長官とラブロフ露外相との会談が予定されており、それまではウクライナ侵攻はないと思われる。
プーチン露大統領のNATOへの要求は以下の通りだが、欧米が受け入れるか否が要注目となる。
・NATOの東方不拡大の保証
・ウクライナのNATO非加盟の確約
・ロシア国境近辺からの攻撃兵器の撤去
・欧州の軍備配置を1997年(露NATO基本合意書調印)時点に戻す
・ミンスク2の順守
・NATOとウクライナの合同演習と武器供与の停止
・バルト3国、中欧・東欧全域からの米軍の引き揚げ