1日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、米連邦準備理事会(FRB)当局者が相次いで積極的な利上げに慎重な見解を示したことで114.57円まで軟調に推移した。ユーロドルは1.1279ドルまで堅調推移、ユーロ円は128.87円まで軟調に推移した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、複数のFRB当局者が積極的な利上げに慎重な見解を示していることで、4日発表の米1月雇用統計まで上値が重い展開が予想される。

 複数のFRB当局者は、3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%利上げ、その後のバランスシート縮小開始を示唆しているものの、市場が予想する利上げ幅0.5%や5-7回程度の利上げ回数に関しては、経済動向、インフレ動向次第と慎重な見解に留まっている。米1月雇用統計を見極めて、利上げ幅、利上げ回数、バランスシート縮小の開始時期を見極めることになる。また、米民主党のマンチン上院議員が、バイデン大統領が成立を目指す約2兆ドル規模の税制・支出法案「ビルド・バック・ベター」の中核部分を復活させるためには、協議を最初からやり直す必要があると指摘したことも、ドルの上値を抑える要因となっている。

 昨日は、神田財務官が「円安進行に伴う経済影響、プラスとマイナスの両面がある。昨年末までは日米金利差を背景にドル高・円安が進んだ」と述べた。本邦通貨当局が円安を牽制する局面は少なく、過去には1998年の榊原財務官と黒田国際金融局長の時、そして2015年の黒田日銀総裁の時が挙げられる。
 アジア経済危機が発生した1997年から98年にかけて榊原財務官は、「悪い円安」を抑えるために円買い介入を実施した。当時、ドル円の名目為替レートは、147.64円まで上昇し、実質実効為替相場(REER)は96.21まで円安が進んだ。
 2015年、黒田日銀総裁は、ドル円の名目為替レートが125.86円まで上昇し、実質実効為替相場が67.63まで円安が進んでいた時、「実質実効為替レートでは、かなり円安の水準になっている」と述べて円安を牽制した。衆議院財務金融委員会で「実質実効為替レートでは、かなり円安の水準になっている。ここからさらに実質実効為替レートが円安に振れるということは、普通に考えればありそうにない」と円安を牽制し、黒田シーリングを設定した。しかし、昨年10月、黒田日銀総裁は「現在の円安は経済にプラス、実質実効レートに基準ない」と述べ、黒田シーリングを撤廃している。
 2021年12月時点の円の実質実効為替相場は68.07まで円安が進んでおり、岸田政権や財務省が「悪い円安」への警戒感を示しているのか否か、今後の注目ポイントとなる。

 ドル円の注文状況は、上値には、114.90円に3日のNYカットオプション、115.00円に2日と3日のNYカットオプション、115.10円にドル売りオーダー、115.30円超えにストップロス、115.50円にドル売りオーダーと2日のNYカットオプションが控えている。下値には、114.50-60円、114.30-40円に断続的にドル買いオーダーが控えている。