本日のニューヨーク為替市場では、足もとの米インフレ率が約40年ぶりの水準まで上昇するなかで米金利の先高観が一層強まっており、基本的にはドルの下値は堅いままか。ただ急速な金利高は昨日のように株式市場の重しとなるため、その影響でクロス円の地合いが弱まるようであれば、ドル円も引きずられて伸び悩む場面があるかもしれない。

 昨日はブラード米セントルイス連銀総裁がタカ派色をかなり濃くしたこともあり、短期金利の先物市場では、3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で50ベーシスポイント(bp)利上げを9割ほど織り込んだ。また1週間前には全く予想されていなかった5月50bp引き上げも、25%強ほど織り込む形となっている。

 なお想定以上のインフレ高進や米金融当局者の利上げ積極姿勢を受け、一部では臨時FOMCの開催を予想する市場参加者もでてきたようだ。確かに、インフレ率が上昇すれば米政権支持率が低下という流れが続いているため、バイデン米大統領としても、できるだけ早い引き締めを望んでいるだろう。ただ、FRBがインフレ指標としてより重要視するPCEコアデフレータ−の発表を2週間後に控えている。また緊急利上げなどすれば市場が混乱する懸念もあるため、緊急会合はあくまで「噂の域をでない」程度に留めて置いたほうが良いかもしれない。

 また懸案の東欧情勢では、10日からロシアとベラルーシが合同軍事演習を開始し、ウクライナ対して圧力を強めている。両軍合わせて6万から8万人が参加しているとされ、ウクライナ侵攻への布石と見る向きも多い。演習は20日までの予定であり、それまでに西側がロシアと妥協点を見出せるかがポイントになるだろう。いずれにせよ、地政学リスクはまだ暫く付きまとうことになりそうだ。