15日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、ウクライナ付近のロシア軍の一部が撤収するとの報道が流れ、プーチン露大統領が安全保障を巡り米欧との協議を継続する意向を示したことで一時115.87円まで上昇した。ユーロドルは1.1368ドルまで、ユーロ円も131.54円まで上値を伸ばした。
本日の東京外国為替市場のドル円は、ロシア軍がウクライナ国境付近で軍事演習を終えた後に撤収したという情報を受けて、リスク回避の円買いが後退しつつあるものの、本日16日がロシアによるウクライナ侵攻が警戒される日となっており要警戒か。
13日、アメリカのサリバン大統領補佐官が、「ロシアによるウクライナ侵攻は今にも始まりかねない。オリンピック閉幕前の今週中も例外ではない」と警告した。
14日、ゼレンスキー・ウクライナ大統領は、「ロシアによる侵攻は16日に行われるとの情報を得ている。われわれはこの日を連帯の日にする」と述べた。
15日、バイデン米大統領は、ロシアのウクライナ侵攻はなお起こり得るとし、一部部隊をウクライナ国境近辺から撤収したとするロシアの主張については米国はまだ確認していないと述べた。
ドイツのシュピーゲル誌は、「アメリカ中央情報局(CIA)は早ければ、16日水曜日にも侵攻開始の恐れがあるとNATO(北大西洋条約機構)加盟国に伝えた」と報じている。
アメリカの政治専門サイトのポリティコは、「バイデン米大統領がヨーロッパ各国の首脳に16日という日付を伝えた」と報じている。
プーチン露大統領は、「米国、NATOと安全保障に関するさらなる交渉の用意ある」と述べた。しかし、最終的には、NATO東方不拡大の保証とウクライナの加盟阻止という要求が拒絶された場合、欧米諸国に開戦事由を押し付け、2008年のグルジア侵攻や2014年のクリミア侵攻のような「偽旗作戦(false flag)」で大義名分を捏造して、ウクライナに非があるとして侵攻を開始するのかもしれない。
NATOは、ウクライナが加盟国ではないことから、集団的自衛権は行使できない。一部調査では支持率が30%台まで落ち込んでいるバイデン米大統領も、ウクライナ介入は米国民が反対していること、11月の中間選挙の前にアフガニスタン撤退のような失点を重ねたくないことから、経済制裁の強化に留まる可能性が高い。
ドル円の注文状況は、115.75円の17日のNYカットオプションを軸にして、上値には、115.90円にドル売りオーダー、116.00円にドル売りオーダーと16日と17日のNYカットオプション、116.10円、116.30円にドル売りオーダーが控えている。下値には、115.10円にドル買いオーダー、115.00円にドル買いオーダー、割り込むとストップロス売り、16日と17日のNYカットオプションが控えている。
10時30分に発表される1月中国消費者物価指数(CPI)の予想は前年比+1.0%で、12月の前年比+1.5%から低下、1月中国生産者物価指数(PPI)の予想は前年比+9.5%で、12月の前年比+10.3%からの低下が見込まれている。予想通りならば、世界的なインフレ高進にも関わらず、政府の物価抑制目標である3.0%を下回っていることで、中国人民銀行の金融緩和策が正当化されるのかもしれない。
