本日のNY時間のドル円は上値が重いか。ドル円の買い要因としては、原油先物価格が堅調に推移していることなどで、米連邦公開市場委員会(FOMC)のよる緊急利上げの噂などが依然としてあること。ただし、市場は3月15−16日のFOMCでの0.50%以上の利上げをほぼ織り込みつつあることで、米金利高によるドル買いを仕掛けるには限界がある。 

 その一方で、ロシアによるウクライナ侵攻リスクは高まるばかりで、リスク回避のドル円の売り要因の方が当面は強くなりそうだ。本日もプリスタイコ駐英ウクライナ大使が、北大西洋条約機構(NATO)への参加を遅らせることはないことを強調するなど、ロシアを刺激する発言をしている。実際に侵攻された場合は欧州の経済的な悪影響や、原油先物価格など直接的な影響は兼ねてから囁かれているが、最近は米国の政治・経済的な混迷が増すという論調が増えている。先週発表された最新のCNN/SSRSの世論調査では、バイデン米大統領の支持率は41%に低下している。ウクライナ侵攻による原油高で更にインフレ高進となった場合は、中間選挙を前にして共和党はよりバイデン政権に対する圧力をかけることが予想されている。そして、バイデン政権が行おうとしている経済政策が滞り、リスク回避の円買いだけでなく、米経済への不安感からドル売りにも動く可能性がある。

 本日は、米国からの主だった経済指標の発表予定はないが、今年のFOMCの投票メンバーの1人でもあるブラード米セントルイス連銀総裁の講演が予定されている。しかし、同総裁は10日に「7月1日までに1.00%の利上げを支持」「2000年以来となる0.50%の利上げを支持」と発言していることで、これよりもタカ派で、更なるドル買いのコメントを期待するのは難しいだろう。よって、本日はウクライナ情勢のヘッドラインが市場を動かすことになりそうだ。