本日のNY時間のドル円は神経質な動きを予想するが、上値は限られるか。昨日のラブロフ露外相発言に続いて、ロシアが軍事演習後に一部部隊が本部に帰還したとの報道で、欧州時間にはドル円とユーロ円は買い戻しが入っている。ここ暫くは、ウクライナをめぐる緊張度の高まりと弱まりで、市場はリスクオフ・オンに目まぐるしく変わる展開が予想される。
世界的な平和を考えると、ウクライナ情勢が落ち着くことは望ましい。しかしながら、プーチン露大統領がこのままウクライナ情勢を見逃すとは考えにくく、ウクライナ情勢が一服すると予想するのは時期尚早だろう。昨日もプリスタイコ駐英ウクライナ大使が「北大西洋条約機構(NATO)への参加を遅らせることはない」と強調した。ロシアがNATO拡大を許すことは考えにくく、リスク回避の円買い意欲は当面は続くと思われる。
また、本日の独露首脳会談が注目されるが、楽観的に会談が進むという意見は少ない。警戒しなくてはならないのは「偽旗作戦(開戦の口実を作るために、敵がやったと見せ掛ける作戦)」になる。本日もロシアの通信社RIAノーボスチは、「(ウクライナ東南部に位置し、親ロシア・反政府グループの活動が活発な)ドンバスで死者が出た場合は、ロシアは報復措置を行う」と報じている。米国はロシアによる自演で、一部地域でウクライナ軍が親ロシアグループを攻撃する偽の映像を撮影したとの報道も出ている。また、トラス英外相も本日「偽旗作戦が数日内に行われる可能性を予測」と発言しているように、油断をすることが出来ない状況だ。ロシアが国際情勢を考慮し、一時的に軍を帰還する方向を見せたのにもかかわらず、軍事行動が急変するリスクもあるか。
米経済指標では、1月米卸売物価指数(PPI)に注目が集まる。市場では12月の9.7%から低下し9.1%程度になるとの予想になっているが、一部では10%を超えるとする予想もある。先週発表された1月消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったこともあり、PPIに対する上振れもあるだろう。しかしながら、CPIや先週のブラード米セントルイス連銀総裁の発言以来、3月での0.5%の利上げ予想が過半数を超えていることを考えると、すでにある程度の米金利上昇は織り込んでいる。
