21日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、パウエルFRB議長が積極的な金融引き締めに前向きな姿勢を示し、米10年物国債利回りが2.3186%前後まで上昇したことで119.50円まで上昇した。ユーロドルはパウエルFRB議長が必要に応じて0.50%の利上げを実施する用意があるとの姿勢を表明し、ロシアとウクライナの停戦交渉の行方に不透明感が広がっていることで1.1010ドルまで軟調に推移した。ユーロ円は欧州時間の高値131.97円から131.38円まで軟調に推移した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、パウエルFRB議長のタカ派発言を受けた米10年債利回りの上昇で、心理的な節目である120円を窺う攻防戦が予想される。
先週の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、FF金利の誘導目標を0.25%引き上げ、年内に0.25%の利上げをさらに6回実施することが示唆された。パウエル議長は、昨日の講演で、5月3-4両日の次回会合やそれより後の会合で0.5%の利上げが選択肢に入る可能性を示唆した。0.5%の利上げを主張しているのは、ウォラーFRB理事、ブラード米セントルイス連銀総裁、バーキン米リッチモンド連銀総裁などがおり、5月のFOMCでの0.5%の利上げ、そしてバランスシート縮小開始の可能性が高まりつつある。
ドル円の買い材料は、エネルギー価格や穀物価格の上昇を受けた購入代金のドル買い需要の高まり、日米金融政策の乖離、そして黒田日銀総裁が円安を容認していることなどが挙げられる。
ドル円の売り材料としては、年度末決算に向けた本邦機関投資家のレパトリエーション(国外滞留資金の本国環流)、松野官房長官による円安への警戒発言、そして、ロシア軍がウクライナでの戦争で戦術核を使用した場合のリスク回避の可能性などが挙げられる。
3月の春分明けの週は、毎年、年度末決算に向けた本邦機関投資家のレパトリが出る傾向にあることで、120円を目指す投機筋のドル買い仕掛けと本邦機関投資家のドル売りとの攻防が予想される。
ウクライナ情勢に関しては、先週末の米中首脳電話会談、昨日の米英独仏伊の首脳会談が行われ、今後24日にG7首脳会議と北大西洋条約機構(NATO)緊急首脳会議が予定されており、ロシアへの対応策が協議される。ウクライナのゼレンスキー大統領は、「プーチン露大統領との交渉なしでこの戦争を終わらせることはできない」と述べ、停戦に向けた両国首脳による会談に意欲を示した。交渉にあたっては「主権や領土保全に関わることは独立国家として妥協はできない」と強調し、直接交渉の試みの失敗は第三次世界大戦を意味する」と述べ、危機感をあらわにした。一方、ロシア側は、ロシアが併合し実効支配しているウクライナ南部・クリミア半島のロシアの主権を認めるように要求し、さらに、ロシアが一方的に独立を承認したウクライナ東部・2つの州についても、独立を認めるように要求している。プーチン露大統領との首脳会談を要請しているゼレンスキー・ウクライナ大統領は、領土問題に関して妥協しない、と主張していることで、停戦に向けた協議は長期化する可能性が高まりつつある。
