18日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、黒田日銀総裁が「円安は輸出増などを通じて経済全体に恩恵がある」と円安を肯定し、複数のFRB高官から早期の米金融引き締めに前向きな発言が伝わったことなどで119.40円まで上昇した。ユーロドルはFRBの積極的な利上げスタンスやウクライナ情勢への警戒感から1.1003ドルまで下落した。ユーロ円は、131.19円から131.92円まで上昇した。

 本日のアジア外国為替市場のドル円は、東京市場が休場で閑散取引の中、心理的な節目である120円を窺う買い仕掛けの可能性に警戒する展開となる。

 ドル円の買い材料は、エネルギー価格や穀物価格の上昇を受けた購入代金のドル買い需要の高まり、日米金融政策の乖離、そして黒田日銀総裁が円安を容認していることなどが挙げられる。
 ドル円の売り材料としては、年度末決算に向けた本邦機関投資家のレパトリエーション(国外滞留資金の本国環流)、松野官房長官による円安への警戒発言、そして、ロシア軍がウクライナでの戦争で戦術核を使用した場合のリスク回避の可能性などが挙げられる。
 先週末の米中首脳電話会談では、バイデン米大統領が習中国国家主席に対して、ロシアに経済的・軍事的支援した場合への警告を行った模様だが、習中国国家主席は西側によるロシアへの制裁措置を批判した模様で、前向きな結果はなかった。今週も引き続き、停戦協議の行方やロシアによる戦術戦術核の使用などを見極めていくことになる。

 黒田日銀総裁は、18日に日銀金融政策決定会合で現状の金融緩和政策の維持を決定した後、「円安が全体として日本経済にプラスとの構造は変わらない」との従来の主張を繰り返した。そして、最近の輸入物価上昇は、円安よりも資源価格上昇の影響が大きいとの分析も示した。しかし、松野官房長官は「為替の安定は重要であり、急速な変動は望ましくない。為替市場の動向を緊張感持って注視する」と「悪い円安」への警戒感が示されており、岸田政権によるガソリンや商品価格上昇を抑制する政策に、円安抑制が加わる可能性には要警戒となる。
 米連邦公開市場委員会(FOMC)では、0.25%の利上げが決定され、「ドットチャート(FF金利の予想分布図)」では、今年は毎回のFOMCで0.25%の利上げの可能性が示され、早期の量的金融引締政策(QT:Quantitative tightening)の開始が示唆された。
 ブラード米セントルイス連銀総裁は、FOMCで0.50%の利上げを主張したが、年内に政策金利が3%超の水準に達するよう委員会として努めることを提言した、と述べている。ウォラーFRB理事は、ウクライナ情勢の不透明感から0.25%の利上げを支持したが、今後数回の会合で0.5%の引き上げを検討するかどうかが問題になるだろう、と述べている。