昨日のニューヨーク外国為替市場でドル円はダウ平均の大幅反落も嫌気し、週明け早朝取引で付けた114.90円を下抜けて一時114.86円まで値を下げた。週明けに急落したユーロドルは下げ渋るも買い戻しは1.1246ドルまでと、反落して取引を終えた。また、ユーロ円は乱高下するもウクライナ地政学リスクの警戒感で始終上値は重く、129.78円を戻り高値に一時128円後半に押し戻された。
ウクライナ情勢をめぐる神経質な動きが続いており、全般リスクオフに傾きやすくなっているが、ドル円の下押し局面では「有事のドル買い」と米金融政策の引き締め期待で買いも入りやすい。国際銀行間の送金・決済システムのSWIFT(国際銀行間通信協会)からのロシア排除でその影響が懸念されているが、効果は不透明との見方も少なくない。神田財務官が述べたように、ロシアのSWIFT排除は何を対象にするかが重要である。ロシアのSWIFT排除により、今後ドル需要が高まることへの警戒感からドル資金を確保する動きが強まる可能性もある。ドル円は115円を挟み、神経質な動きが続くも、方向感は出にくい。
注目が集まっていたロシア・ウクライナの停戦協議は結果を持ち帰り、近く再協議することで合意した。バイデン米大統領は米国民および米企業がロシア銀行(中央銀行)やロシア財務省、同国政府系ファンドである国民福祉基金と取引を行うことを禁止するなど、欧米はロシアに対する制裁を強化している。世界経済からロシア排除が加速するなか、「核の脅し」もちらつかせいるプーチン大統領の暴発も懸念される。市場ではロシアのウクライナ軍事侵攻の行方をにらみつつ、明日2日に予定されているパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の金融政策に関する半年に一度の議会証言に注目が集まっている。本日のNYタイムではバイデン米大統領が就任後、初めての一般教書演説が予定されている。
東京タイムでのドル円はウクライナ関連のヘッドラインや株価・時間外の米長期金利の動向を眺めながらの動きとなる。東京タイムでの注目は豪準備銀行(RBA)金融政策イベントに集まっている。政策金利は据え置きが見込まれ、焦点はやはり声明文である。お隣のNZ準備銀行(RBNZ)は2月に3会合連続で利上げを実施しているのに対し、RBAが引き続き市場の利上げ期待をけん制するかどうかに注目。