昨日のニューヨーク外国為替市場でユーロは対ドルや対円で続落し、それぞれ一時1.1090ドルと127.37円まで売り込まれた。ウクライナ情勢の更なる緊迫化を受け、ユーロ圏への悪影響が懸念された。ただ引けにかけては1.11ドル前半、127円台後半で下げ渋った。ドル円は114.70円まで下値を広げる場面があった。米長期債利回りの低下に引きずられた。
本日の東京為替市場でも、ウクライナ戦争の行方や西側が強化している対露制裁の影響を見極めながらの取引は変わらず。戦闘の長期化・泥沼化やロシア発の信用不安が警戒され、ユーロの地合いの弱さが目立っており、本日も同通貨を中心として神経質な値動きが予想される。
経済指標では、日本時間9時30分に10−12月期豪国内総生産(GDP、予想:前期比3.0%/前年比3.7%)が発表予定。また、バイデン米大統領が就任後初の一般教書演説を行う。
露メディアによれば、本日2日にウクライナとロシアが2回目の停戦協議を開くもよう。しかしながら、両国の交渉団と連絡を取っているとしたトルコ大統領報道官は、両サイドの要求に隔たりがあり過ぎるため、交渉延期の可能性も高いと述べている。ロシアは、戦闘で優位となってから無理な言い分を通すというのが常套手段であり、協議開催に向けてウクライナ国内での攻撃を強めるかもしれない。
国際社会に混乱を巻き起こし、米欧と完全に袂を分かったプーチン露大統領が、今後頼れるのは中国のみか。一方でウクライナ外相からも昨日、中国に仲介を要請したとの発言があった。中国が本気で仲裁に乗り出すとなれば、停戦が現実味を帯びてくるかもしれない。
豪GDPは前期比が前回マイナスからプラス転、一方で前年同期比は前回から若干の鈍化が見込まれている。結果は、利上げに対し慎重な姿勢を示し続けている豪準備銀行(RBA)理事会に、強く訴えかけることはないかもしれない。ただ、もし予想比下振れともなれば、昨日RBAが声明で述べた(利上げへの)忍耐強さが更に強化されることになるのではないか。
バイデン米大統領の一般教書演説は、ロシアを抑え込むための行動アピールは当然ながら、金融市場の注目としてはインフレ対応についての言及か。特に足もとの原油価格の高騰を受けて、想定以上に物価が加速する懸念もでてきた。支持率低迷に苦しんでいるバイデン氏の意気込みが注目される。