25日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁が、0.50%の利上げに前向きな発言をしたことや米10年債利回りが2.50%台まで上昇したことなどで、122.24円付近まで堅調に推移した。ユーロドルは、3月独Ifo企業景況感指数が予想を下回ったことや米長期金利の上昇などから1.0981ドルまで軟調に推移した。
本日の東京外国為替市場のドル円は、WTI原油先物価格が110ドル台で推移し、米10年債利回りが2.50%前後まで上昇していることで底堅い展開か。しかしながら、年度末に向けた本邦機関投資家のレパトリエーション(国外滞留資金の本国環流)が上値を抑える展開も予想される。
先週末25日のドル円は、朝方に122.44円まで強含む局面があったものの、仲値での年度末に向けた本邦輸出企業からの大口のドル売りが観測され、新発10年国債利回りが0.240%付近に上昇したものの、日銀が指し値オペを見送ったことで、121.18円まで反落した。
本日も年度末に向けた本邦輸出企業からのドル売りや本邦機関投資家のレパトリエーション、そして四半期末に向けたヘッジファンドや海外投資家のリバランスの動向を見極めることになる。そして、10時前の仲値決定の後の10時10分頃に通知される日銀の指し値オペの有無を10年国債利回りの水準とともに見極めることになる。
もし、金曜日に続いて指し値オペが見送られた場合、10年国債利回りの上昇が容認されたと見なせることで、日米金利差拡大観測を受けたドル高・円安のスピードが緩和されることになる。逆に、指し値オペに踏み切った場合、米10年債利回りが2.50%付近まで上昇していることで、ドル高・円安に拍車がかかることになる。
黒田日銀総裁は25日の衆院財務金融委員会で、「円安は基本的に日本経済にプラス」とのこれまでの発言を繰り返した。黒田日銀総裁は、円安には輸出促進などプラスの効果と輸入物価高による消費減少などマイナスの効果があるが、トータルではプラス、との認識を示してきている。そして、現状の輸入物価の上昇は、円安よりも原油価格などの商品価格の上昇が原因である、としている。インフレ目標2%の達成は、物価の上昇ではなく、賃金の上昇を伴う持続的・安定的なものではならない、として、現状の金融緩和政策を粘り強く継続していく意向を示している。また、鈴木財務相も「円安は輸出企業にプラス」との認識を示しており、本邦通貨当局からは「悪い円安」への警戒感が聞こえてこない。
しかし本邦通貨当局が準拠していると思われる日本経済マクロ計量モデルは、日本が輸出大国だった頃からのデータが加味されており、現在の国内総生産(GDP)に占める輸出の占有率は20%程度であり、膨大な貿易赤字が示すように、輸入及び内需は「悪い円安」の悪影響を受けている。

