昨日のニューヨーク外国為替市場でドル円は115.69円まで反発する場面があった。2月ADP全米雇用報告が予想を上回ったことが支えとなり、米長期金利の大幅上昇などに後押しされた。ユーロドルは1.10ドル半ばまで売り先行もNY午後には1.11ドル台まで反発。ウクライナ・ロシア停戦交渉への期待感が買い戻しに繋がった。米株の反発を受け、ユーロ円は127円台から128.77円まで値を上げた。

 本日の東京為替市場では昨日NY市場のリスク回避の巻き戻しの影響が継続され、ドル円やクロス円の底堅さは変わらなさそうだ。東京午後から始まることが予想される、ウクライナとロシアによる2回目の停戦協議も注目。

 昨日は米国の中期債利回りも大幅に上昇。2年債は1.27%台から1.52%台まで反発し、今週の下げ幅を大きく縮小した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が昨日述べたように、市場も3月米連邦公開市場委員会(FOMC)では25ベーシスポイント(bp)利上げを見込んでいる。CMEのFedWatchは、今月25bp引き上げが約95%(1週間前は66%)とほぼ確定事項の域を示している。

 FRBが物価指標として重要視するPCEコアデフレーターは、先週発表された1月分が前年比+5.2%と1983年以来の伸び率を記録。国際商品指数のCRB指数も年初来で約23%上昇するなど、物価高は顕著だ。今後FRBが引き締めを加速するとの見方が強まるようであれば、ドル円は下値を切り上げる展開が続くことになるか。

 東京9時30分には1月豪貿易収支(予想:90.50億豪ドルの黒字)が発表される。2018年から続く黒字に相場は驚かないだろうが、豪ドルの底堅さを物語るものとはなる。豪ドル円は84円台に乗せ昨年11月以来の水準で推移しており、堅調推移が予想されるアジア株も支えとなり上値を試す場面がありそうだ。

 また、エネルギー資源大国ロシアへの経済制裁により、同国から日本へのエネルギー供給が絞られる可能性は高まっている。液化天然ガスや石炭に関しては豪州が日本にとって最大の輸入相手国であり、今後はロシアからの代替国としての豪州の役割は大きくなるのでないか。そうなれば、豪ドル買い・円売りの増加に繋がることになる。

 仏AFP通信は、本日3日にウクライナとロシアの代表団が停戦について協議すると報じている。両者の溝がどの程度まで埋まるかがポイントだが、隔たりが大き過ぎるだけに過度な楽観論は禁物だろう。