本日のNY為替市場のドル円は、ロシア軍が攻撃したウクライナのザポロジエ原子力発電所の状況に注意しながら、米国2月の雇用統計を見極める展開となる。

 米国2月の雇用統計の予想は、非農業部門雇用者数が前月比40.0万人の増加で、季調モデルの変更で前月比46.7万人の増加だった1月からは増加幅の減少が見込まれている。失業率の予想は3.9%で1月の4.0%から低下が見込まれている。平均時給の予想は前月比+0.5%、前年比+5.8%となっており、1月の前月比+0.7%、前年比+5.7%からは低下が見込まれている。米国の2月の雇用関連指標は以下の通りにやや悪化していることで、ネガティブサプライズに要警戒となる。しかし、来週発表される米国2月の消費者物価指数は、前年比8%程度の上昇が見込まれていることで、雇用情勢が悪化していた場合でも、パウエルFRB議長が議会で証言したように、3月15-16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)での0.25%の利上げ見通しには変わりないと思われる。
                【2月】   【1月】(〇改善・●悪化)
【改善】
〇失業保険継続受給者数(2/12週):147.4万人 167.2万人
〇新規失業保険申請件数(2/12週):24.9万件 29.0万件
【悪化】
●ISM製造業雇用指数:   52.9      54.5
●ADP全国雇用者数:   +47.51万人    +50.9万人
●ISM非製造業雇用指数:  48.5      52.3
●消費者信頼感指数(雇用):42.0%    43.0%(※職が十分-雇用が困難)
●シカゴ購買部協会雇用指数:33.5     47.0

 ドル円は、WTI原油先物価格が100ドル台で推移していることで、原油購入のためのドル買い・円売り需要、さらに貿易赤字拡大の円安要因により底堅い展開が続いている。しかしながら、米10年債利回りがウクライナ情勢への警戒感から1.80%を割り込んでいることで、上値は限定的となっている。