東京タイムで年初来高値を上抜けたドル円は欧州勢が参入した後も上昇の勢いは止まらず、117.06円まで2017年1月以来の高値を更新した。NYタイムでは大幅高の反動で調整が入る可能性はあるが、上値を試す動きが継続し、ドル円の一段高も念頭に置きたい。

 ウクライナ危機に大きな進展はなく、株式、債券市場や商品市場は神経質な動きが続いているが、為替市場ではリスク回避の円買いの動きは緩んでいる。資源国通貨を中心としたクロス円の底堅い動きもドル円の支えとなる。また、ウクライナ情勢が一段と緊迫化し、リスクオフの円買いが強まっても、「有事のドル買い」がドル円の下支えになるとの思惑も、ドル円に買い安心感を与えている。

 足もとでリスクオフの円買いが後退しているなか、ドル円の目線は来週の日米金融政策イベントに向けられている。昨日に発表された米2月消費者物価指数(CPI)は伸びが加速し、米長期金利の上昇に伴いドル円の買いを後押している。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で市場は0.25%の利上げを織り込んでおり、声明などで4月会合での利上げ幅に対するヒントを得ようとしている。日銀も来週金融政策決定会合が予定されているが、相変わらず無風通過する可能性が高く、日米金利格差を意識したドル高・円安の流れは続きそうだ。