NYタイムのドル円は、ウクライナ情勢の急激な悪化でリスク回避が強まるようなことがなければ、物価高を背景とする米金利上昇を反映したドル高の流れが続きそうだ。ウクライナ情勢については、紛争処理に関して成果が得られるとの報道も断続的に流れてくる。一方、ロシアの軍事行動の内容を伝えるニュースも目立ち、予断を許さない状況だ。足もとでは欧州通貨が反発し、欧米主要国の金利が上昇するなど、市場のリスク回避姿勢がやや緩んでいる感もある。ただ、地政学リスクが再燃すれば、欧州通貨の売り主導でリスク回避の動きが再び強まることになる。
ドル円は、リスク回避のドル買いとなれば、特に欧州通貨に対してドルが強まることが影響して、これが下支えの一因となるかもしれない。ただ、欧州通貨のクロス円の下落が強まれば相殺要因となり、ドル円の上昇力を鈍くする。現地15-16日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)では利上げ再開が見込まれ、これが支援となっても、安心感を持ってドル円を買い進みにくい。上方向を試すにしても、慎重に上値を伸ばすペースを前提に臨みたい。高値を掴み、ポジション維持が苦しくなる投資家が、損切りや調整の売りで動きを荒っぽくするリスクも想定しておきたい。