ドル円は本日のアジア・欧州市場でも緩やかな勢いながらも上値を広げている。連日上昇し、上げ幅も大きいことで、調整が入った場合は下げ幅も大きくなる可能性はあるものの、買いトレンドが変わることは難しそうだ。
本日も日銀の片岡審議委員が「円安の全体的な効果はプラス」「円安のデメリットは非常に小さい」と発言し、先週の黒田日銀総裁と同じく、日銀関係者が円安の進行を助長させているかたちだ。輸入物価指数が3割を超えて急上昇し、今後も原油高・コモディティ高の中での円安が家計及び経済への影響が出てくるとの意見を、日銀は重要視していないよう。岸田首相は「原油高・原材料高・食材高には万全に対応する必要がある」とし、29日にも物価対策を発表するとしている。しかし、小手先の物価対策で世界的なインフレの勢いを止めるのは難しいだけでなく、円安対策ではないことで、今後も円安がさらに進行する可能性が高い。
本日のNY時間でもFRB要人の講演が多数予定されているが、今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)の投票メンバーで講演が予定されているのは、ウォーラーFRB理事のみの予定。ウォーラー氏は元々がタカ派として知られ、3月のFOMC前には「物価指数が高ければ3月会合で0.50%の利上げに強い根拠となる」などとも発言している。タカ派姿勢を崩すことは考えにくいだろう。
経済指標では、3月の米製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値が発表される。通常は注目度が高い指標だが、FRB要人がすでにタカ派に偏っていることで、どの程度市場が反応するかは未知数だ。なお、2月は製造業・サービス部門PMIともに市場予想を上回ったことで、小幅にドル買いに反応している。
また、政治的には主要7カ国(G7)首脳会合、北大西洋条約機構(NATO)緊急首脳会議なども予定されていることで、政治ヘッドラインにも注目したい。

