海外市場でドル円は、米10年債利回りが2.9459%前後と2018年12月以来約3年4カ月ぶりの高水準を付けたことも相場の支援材料となり、一時128.97円と02年5月以来約20年ぶりの高値を付けた。ユーロドルは、狭いレンジでのもみ合いに終始した。

  本日の東京時間のドル円は調整によるドル売りもあるだろうが、トレンドは変わらず買い場探しか。日米の景況感や金利差は埋めることができないほどの開きが生じており、合理的なドル買いが継続されるだろう。

 昨日、鈴木財務相は「経済状況を考えると円安はデメリットをもたらす面が強い」と発言。しかしながら市場の円買い反応は限られ、依然として円安の流れが止まる兆候が見えない。また、同財務相が「為替は市場が決定する」と述べたことや、黒田日銀総裁も円安のデメリット(物価上昇による家計負担、中小企業への悪影響など)については認識しているものの、差し引きすると「円安が全体としてプラスという評価は変えていない」ことも円売り要因だ。

 榊原元財務官が先月「130円上回れば問題、介入や金融政策必要」と述べていた水準は、もう視野に入りつつある。もっとも、もし本邦当局が円買い(ドル売り)介入を実施すれば、それはドル安に繋がることになる。輸入インフレ高進となる米国から介入の同意を得ることも難しいだろう。

 警戒をしなくてはならないのは、本日20日からG20財務大臣・中央銀行総裁会議が米ワシントンDCで開催され、明日21日には日米財務相会談を行う可能性があることだ。(現時点では調整中ということで、会談が行われるかは決定していないが)21日に財務相会談が行われた場合は、為替市場が動くことは避けられない。会談が開かれれば、ドル買い・ドル売りリスクがともにあることに注意したい。

 会談で円安けん制が出た場合はドル売りリスクとなる。一方で、上述のように米国がインフレ高進を嫌気しドル高を放置する場合や、特段の目立ったコメントが出ない場合はドル買いリスクになるだろう。

 また、日米当局者の会見内容に差異があるかも注意深く見ていかなくてはならない。以前安倍政権のときに、日本は日米間の新たな通商協議である「日米物品貿易協定(TAG:Trade Agreement on Goods)」との文言を会見で使用したが、米国では「Agree to Negotiate a Free Trade Agreement」と従来のFTAを使用するなど、日米間で会見内容が異なる事例が多々ある。鈴木財務相が仮に「円安の勢いが速いことを共有した」などの発言が出た場合でも、イエレン米財務長官が共有しているかは定かではない可能性もありそうだ。

 本日のアジア時間も円が相場の主役となることは変わらないだろう。ただ欧米時間では南アやカナダの消費者物価指数(CPI)が発表され、米連邦準備理事会(FRB)要人の講演なども多数控えているため、円以外の動きも要警戒となりそうだ。