本日のドル円は荒っぽい動きとなっている。前日の流れを引き継ぎ、一時129.40円まで2002年4月以来の高値を塗り替えたが、日銀の指し値オペ通告後に高値を更新する動きに持ち込めなかったこともあり、利食い売りに押された。20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議を控える中、低下に転じた米長期金利の動きを眺めながら127円後半まで押し戻された。

 市場は20日にワシントンで開催されるG20財務相・中央銀行総裁会議に注目。イエレン財務長官と鈴木財務相が会談を行う予定で、急激な為替変動が経済に与える悪影響についても議論する見通しとなっている。ただ、為替相場に大きな影響を与えそうな声明などが出される可能性は低く、ドル円は米長期金利の動向を睨みながらの動きが続きそうだ。米10年債利回りは本日の時間外取引で一時2.977%近辺まで一段と上昇基調を強め、2018年12月以来の3.0%台復帰に迫っている。

 日本政府・日銀の当局者らから「急速な円安」に懸念を示す発言が多く伝わっているが、効果は薄く、口先ではもはや円安を止められそうもない。市場では円安の流れを変えるのは「日銀の金融政策の正常化」しかないとの見方が広がっており、足もとで日米金融政策見通しの格差を意識したドル高・円安は変わりそうもない。ただ、テクニカル的に昨日までドル円は13日連続の陽線を記録しており、調整の売りや利食いの売りも入りやすいか。