本日のNY為替市場のドル円は、今年のFOMCでの投票権はないものの、エバンス米シカゴ連銀総裁の講演に注目する展開となる。


 エバンス米シカゴ連銀総裁は、毎回のFOMC会合での0.25%の利上げを主張し、必要であれば0.50%の利上げにもオープンである、と主張してきた。米国3月の消費者物価指数が前年同月比+8.5%の上昇となったことで、5月及び6月のFOMCでの0.5%の利上げを主張すると思われる。エバンス米シカゴ連銀総裁は、現在の高インフレはコロナ禍の影響を受けた供給サイドの異例な動きが主因と見なしており、高インフレと供給混乱はいずれ解消すると述べてきている。

 リスクシナリオとしては、3月のFOMCでの利上げが0.50%ではなく0.25%だった理由はウクライナ情勢の不透明感を考慮したものだったことで、ウクライナでの戦争が激化しつつある現状での利上げ幅への言及、そして6月開始が予想されているバランスシート縮小の時期への言及に要警戒となる。


 20日に開催予定の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に合わせて、21日に日米財務相会談が予定されている。今週は、米財務省が、半期に一度の「半年次為替報告書」を公表する予定となっているが、財務省高官によるドル円相場への言及、さらに日米財務相会談での協議内容への言及には要警戒か。黒田日銀総裁は、昨日、最近の円安は「かなり急速な為替変動」とした上で、経済への影響は「非常に大きな円安とか、急速な円安の場合はマイナスが大きくなる」と述べた。鈴木財務相も「急速な変動は望ましくない。引き続き、しっかりと緊張感をもって市場の動向を注視してまいりたい」と述べている。

 為替政策について「G7での合意を維持することや、米国などの通貨当局と緊密な意思疎通をはかることが重要であると考えており、こうした考えに基づいてしっかり対応してまいりたい」とも述べており、日米財務相会談には要警戒となる。しかし、米連邦準備理事会(FRB)や米財務省の喫緊の課題はインフレ抑制であることで、インフレ抑制となるドル高は黙認する「ビナイン・ネグレクト政策(benign neglect policy)」が予想される。


 ウクライナ情勢に関しては、プーチン露大統領が5月9日の対独戦勝記念日での勝利宣言を目論んでいる模様で、東部での戦闘が激化し、首都キーウへのミサイル攻撃も再開されている。さらに、フィンランドとスウェーデン両国のNATO加盟申請が現実味を増していることで、ロシア軍が西方へ軍を進めているとの情報もあり、関連ヘッドラインに要警戒か。