NYタイムは、3月米卸売在庫や同住宅販売保留指数などの発表が予定されている。しかし市場の注目は、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策の行方や中国のコロナ感染再拡大が米国を含む世界経済に与える影響を反映した米金利動向、そして明日結果公表となる日銀金融政策の内容となろう。

 米金利水準は、FRBのタカ派姿勢を相当程度織り込んだ感もある。だが、金利が低下するにしても、上下しながら米10年債利回りの直近の上限2.9%台までをめどとした戻り余地を探る局面を挟みつつ推移していくと考えられる。とはいえ、昨日のように中国の経済停滞を一因に米株の調整が進み、リスクセンチメントの弱まりをにらんだ米金利の低下が、ドル相場を重くするリスクにも注意して臨まなければならない。午前2時頃の米5年債入札を受けた債券需給を背景とした米金利の振れも、ドル相場の変動要因となるため留意したい。

 日銀の金融政策については、YCC(イールド・カーブ・コントロール)バンド幅変更の有無がポイント。上限が0.25%に以下に抑え込まれている本邦10年債利回りの動向について思惑が交錯している。海外勢には、すでに0.25%超えの動きをカバーできるスワップ取引のポジションを構築する動きが見られる。一方、バンド拡大見送りを予想する慎重な見方もあり、結果がどちらに転んでも思惑が外れた市場参加者の投げや、カバーを急ぐ動きの影響で円相場が上下しそう。今夜は手控え感が強まる可能性もあるが、そうしたなかで思惑的な売買のフローがある程度まとまると、特段のニュースがなくとも為替が振れることもあり、神経質な状態といえる。