26日のニューヨーク外国為替市場でドル円は127.03円まで下落。米10年債利回りが2.72%台まで低下し、米国株相場が大幅反落したことなどが重しとなった。ユーロドルは、世界経済の成長鈍化懸念やウクライナ情勢への警戒感から、1.0636ドルまで下落した。ユーロ円は米国株の下落を背景に、投資家のリスク回避姿勢が強まり135.31円まで下落した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、27-28日に開催される日銀金融政策決定会合でイールドカーブ・コントロール(YCC)の変動幅拡大への警戒感から上値が重い展開が予想される。

 昨日岸田首相が発表した物価高騰に対する「総合緊急対策」では、具体的な円安抑制策が示されなかった。しかし、岸田首相は「日銀が物価2%目標の下に政策を進めている」と言及して、本日からの日銀金融政策決定会合への牽制をしており、警戒感が高まっている。

 日銀金融政策決定会合のメインシナリオは、金融政策が据え置かれるというもので、日米金融政策の乖離を受けたドル高・円安のトレンドが継続することになる。リスクシナリオは、政策金利のフォワードガイダンス(指針)を引き締め方向に修正するというもので、ドル高・円安トレンドが調整局面に入る可能性を高めることになる。

 債券市場では、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の変動幅拡大への警戒感が高まっている。さらに、28日に公表される経済・物価情勢の展望(展望リポート)では、2022年度の消費者物価見通しが1%台後半に引き上げられて、30年ぶりの高水準となり長期金利上昇が容認される可能性にも要警戒となる。

 豪ドルは、豪1-3月期のコアインフレ率に注目する展開となる。10時30分に発表される1−3月期豪消費者物価指数(CPI)の予想は前期比+1.7%、前年同期比4.6%と見込まれている。コアインフレ率に当たるCPIの中銀トリム平均値は前期比1.0%上昇し、前年比では最低でも3.2%の上昇となり、2010年序盤以降で初めて中銀目標(2-3%)を上回ると予想されている。

 4月の豪準備銀行(RBA)理事会の議事要旨では、インフレが加速し、労働市場の引き締まりで賃金の伸びが押し上げられる中、利上げのタイミングが早まったとの認識が示された。理事会は、第1四半期のコアインフレ率が中銀目標の2-3%を上回ると予想しており、賃金の伸びは遅れているものの、失業率が4%からさらに改善するに伴い加速する可能性が高いとの見通しを示していた。そして、「こうした展開により、最初の利上げを行う可能性が高いタイミングが早まった」と指摘し、「今後数カ月でインフレと労働コストの動向を巡る重要な証拠が追加で得られる見込み」としていた。

 もし、コアインフレ率が予想通りに中銀目標の2-3%を上回っていた場合、利上げ観測が高まることで、豪ドル買い要因となる。